除雪車支援に関する研究

【研究の全体像】

【研究概要】

豪雪地帯における除雪車による除雪作業は、住民の交通手段の確保など、安心・安全な生活を実現する上で重要な役割を果たしています。しかし、生活道路を対象とした除雪作業中に除雪車へ不用意に近づく歩行者(観光客など)や車両が存在する可能性があり、除雪オペレータは慎重に作業することが求められ、作業効率が低下することが課題となっています。特に、車両や歩行者の往来が激しい時間帯・場所では、除雪作業を中断せざるを得ない状況も発生しています。

そこで情報ネットワーキング研究室では、国内の豪雪地帯の自治体(長野県白馬村など)と連携し、除雪作業を効率化するための様々な技術の研究開発に取り組んでいます。まず、除雪車内にiPadやAndroidタブレットを設置し、雪の下に埋もれているマンホールや縁石などの道路構造物の存在を直感的に通知することで、迅速かつきれいな除雪作業が行える除雪車支援システムを研究開発しました。また自動運転などでも利用されている、現実空間の構造を三次元的に計測できる三次元LiDAR (Light Detection and Ranging)を使用して、除雪車へ近づいている歩行者や車両の存在を検知し、除雪オペレータへ早期に通知できる仕組みを研究開発しています。

このような研究開発を通して、現実空間における人・モノ・場所の状態を観測するセンシング技術、観測結果のデータを安心・安全に収集・活用するネットワーク・セキュリティ技術、およびデータを解析して現実空間の状態を把握するAI技術をバランスよく学習し、システム全体を設計・開発できる総合的な技術力を身につけます。加えて、自治体の方々と連携して地域課題の解決につながる研究開発に取り組むことは、課題発見能力・課題解決能力・コミュニケーション能力のような人間力の向上にも繋がります。

上部へスクロール